日本の水道水は安全度が高いとされています。
ミルクに使用する水道水を沸騰させないと赤ちゃんに危険だと言われる理由は、赤ちゃんの内臓機能は大人に比べて発達していないためです。
ミルクに水道水を沸騰させないまま飲ませることの影響と理由
まず、水道水を沸騰させる理由は以下の通りです。
- 水道水のカルキを抜くため
- 水道水のトリハロメタンを取り除くため
- 水道水のトリクロロエチレンを取り除くため
- 粉ミルクの細菌(サカザキ菌やサルモネラ菌)を殺菌するため
水道水を沸騰させる理由:水道水のカルキを抜くため
水道水に含まれる残留塩素はカルキと呼ばれていて1リットルに0.1ミリグラム以上が水道法によって義務付けられています。このカルキのおかげで殺菌処理ができているので日本の水の安全性が保たれているのですが、このカルキは塩素が含まれている点が心配されています。
まず、塩素はタンパク質を分解する物質として知られていて、例えば髪の毛に水道水のシャワーをかけると、カルキでキューティクルが痛むというのはよくきく話です。
だからといって、水道水に含まれている残留塩素はごく微量ということもあるので、身体にすぐに害があるというわけではありません。
カルキは熱に弱いので5分沸騰させることで気体となって除去できます。ですが、以下のトリハロメタンは5分では消えません。
水道水を沸騰させる理由:水道水のトリハロメタンを取り除くため
水道水には、残留塩素だけでなくトリハロメタンが含まれています。
国内の水道にはトリハロメタン系の消毒物に関して人が一生水道水を飲み続けても影響が現れない量としての基準値が設けられています。トリハロメタンにはクロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムがあるのですが、そのなかでもIARC(国際がん研究所)によると、クロロホルムとブロモジクロロメタンは「ヒトの発がん性の可能性あり」と分類されていますので、それを心配される方もいます。
トリハロメタンは、5分くらい経過すると水の中の濃度が増加する傾向がありますが、10分経過するとトリハロメタンが蒸発していくので除去できます。
実は冬の時期は特に、加熱させると逆に濃度が高くなってしまうという実験結果があります。ただし、このデータはすでに古いデータなので、当時と現時点では状況がことなるかもしれませんが、水温が低いときにはより沸騰の時間を長くした方がいいという判断材料になります。
本来なら、トリハロメタンは加熱することで気体になって除去されるので濃度が薄まるはずなのですが、冬は、水温が非常に低いので、逆に加熱していくと残留塩素と水道水の中に含まれている有機物が反応してトリハロメタンが増えてしまい、そしてかなり加熱が進み気化していくと濃度が薄まるということなのだそうです。
そういう意味もあって5分程度の沸騰では逆にトリハロメタンが増加してしまうので、気をつけた方がいいですね。
少なくても10分以上は沸騰させなければいけないです。参考サイト:三重県<残留塩素を除去する方法>
水道水を飲み水として使うのに毎回煮沸しなくてはならないのは、とても面倒な話ですね。
水道水を沸騰させる理由:水道水のトリクロロエチレンを抜くため
国際がん研究機関(IARC)はトリクロロエチレンの発がん分類を「グループ1:ヒトに対して発がん性がある」に分類しました。そのため、飲むは避けるべき物質であることは変わりありません。
平成23年4月から厚労省はトリクロロエチレンの水質基準を「0.03mg/L以下」から「0.01mg/L以下」に厳しく規制されたため、水道水にふくまれるトリクロロエチレンの濃度は低いです。しかし、問題は井戸水などの地下水に基準値以上のトリクロロエチレンが含まれているリスクがあります。
ただし、このトリクロロエチレンの除去は熱に弱いので5分間強火で沸騰させることで基準値以下になったことが牛久市の実験結果により明らかになっています。
ですので、トリクロロエチレンに関しては、5分の沸騰で十分に除去できるのですが、先述のとおり、トリハロメタンの除去に関してはは10分は沸騰させる必要があるので、いずれにしても10分以上の沸騰は必要です。
水道水を沸騰させる理由:粉ミルクの細菌(サカザキ菌やサルモネラ菌)を殺菌するため
粉ミルクに70°C以上のお湯を注がないと殺菌できません。
実は、乾燥させた粉ミルクでも細菌が生きています。子育て中のママさんにはすでにご存知のことなのかもしれませんが、粉ミルクの中にはわずかですが、サカザキ菌やサルモネラ菌といった細菌が入っています。
サカザキ菌やサルモネラ菌については以下の通りです。
サカザキ菌は、ヒト・動物の腸管内やトウモロコシ、キュウリ、レモンといった果実・野菜からも検出されることがあります。乳児(1歳未満の子ども)、特に未熟児や免疫不全児、低出生体重児を中心として「敗血症」や「壊死性腸炎」をおこすことがあり、重篤な場合には「髄膜炎」を併発することがあります。成人が感染した場合は、その症状はかなり軽度であるとされています。
サルモネラ菌は、主にヒト・動物の腸管内に生息する細菌で、数多くの種類があり、中にはチフス性疾患をおこすものや、下痢、発熱といった食中毒をおこすものがあります。サルモネラ菌は、粉ミルクの製造過程では混入することはほとんどありません。粉ミルクを開封した後、粉ミルクを溶かすときや溶かした後に混入することがあるようです。
そのため、粉ミルクを殺菌するために70°C以上のお湯で必ず溶かす必要があります。
水道水を安心して赤ちゃんに飲ませる方法
上記のことをおさらいすると、水道水のカルキやトリハロメタン、トリクロロエチレンを取り除くために10分以上沸騰させること、そして粉ミルクの細菌(サカザキ菌やサルモネラ菌)を殺菌するために70度以上の熱湯を注いでかき混ぜて粉ミルクを溶かすことが必要だとわかります。
もちろん、70°C以上のお湯を入れた後、粉ミルクを溶かした後は人肌程度に冷ました後、赤ちゃんに飲ませましょう。
ただ、この条件をクリアするために考えられる方法の中からポイントやメリット、デメリットをそれぞれ以下にご紹介していきます。
やかんや鍋で煮沸させる。
やかんは水が沸騰してきたら蓋を開けた状態で10分以上沸騰したままにしておきましょう。
鍋を使用する場合も水が沸騰してきたら蓋を取りましょう。
その間、カルキ、トリハロメタン、トリクロロエチレンが気化するので除去できます。
やかんや鍋で煮沸すると、これらの有害物質をほぼ除去できるのがメリットです。
ただ、デメリットとしては、冷ますのに時間がかかるところです。
電気ポットを使用する。
電気ポットは再沸騰カルキ抜きモードボタンがあるので、そのボタンを押すことで、沸騰するので水道水の残留塩素とトリハロメタンとトリクロロエチレンの除去ができます。ただ、電気ポットは再沸騰カルキ抜きモードボタンを複数回押すことが推奨されています。
参考サイト:三重県<残留塩素を除去する方法>
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電気ポットを使用してわかったデメリットは以下の通りです。
電気ポットのデメリット:蒸気がでる時間が短い
蒸気がでることで気化された有害物質が除去されて濃度が薄くなります。ですが、蒸気がでる時間が短いと本当に毒が抜けたのか不安になります。そういうのも、再沸騰カルキ抜きモードボタンを複数回押して除去する方法が推奨されている要因のひとつなのかもしれません。
電気ポットのデメリット:再沸騰カルキ抜きモードを押すと、冷めるまでボタンを押しても再沸騰しない
一度沸騰して高温に達すると、冷めるまで再沸騰カルキ抜きモードボタンを押しても沸騰が始まりません。
結果:電気ポットで有害物質の除去には時間がかかりますので、急いでミルクを水道水で作りたい方には向いていません。
電気ポットで沸騰させた後は、冷ますのに時間がかかります。
電気ケトルを使用する。
電気ケトルは残留塩素とトリハロメタンを除去することは不向きです。
なぜなら電気ケトルはメーカーやサイズにもよりますが、沸騰までの時間が3分から6分で保温状態に移行してしまう機能が多く、結果的にカルキやトリクロロエチレンは3分では抜けませんし、10分以上沸騰させないとトリハロメタンの除去はできないことから、電気ケトルは残留塩素とトリハロメタンを除去することには不向きです。
そのため、電気ケトルについても電気ポットと同様に1回の沸騰ではトリハロメタンが除去できないため、種類にもよりますが、最低でも3~4回沸騰させる必要がでてきます。
また、電気ケトルは温度が冷めやすいので、温度調節で70度に設定しても、粉ミルクにそそぐときの温度は70度を下回っているケースもあるので、その場合、殺菌ができていないリスクがあるので注意が必要です。沸騰後の保温の温度は80度以上にすべきでしょう。
赤ちゃんのミルクを作る時間を減らすことは大切です。
200mlのミルクの場合、冷めるのに最低でも5分かかります。
離乳食前の赤ちゃんの場合、人それぞれ違うかもしれませんが、ミルクを与える時間は3時間おきで1日に6回ほど与えるケースが多いです。
そうなると、15分から20分でミルクを作るとなると、1日90分から120分のミルク作製時間がかかってしまいます。赤ちゃんを育てるためとはいえ、これが毎日となると、かなりの負担になりますよね。
その上、さらに赤ちゃんがミルクを飲み終わるまで時間が取られると、1回に20分から30分時間がかかるとなると、1日6回なので2時間から3時間さらに時間かかります。
これが毎日続いて夜中も授乳で起きて、ぐずりで寝不足で育児疲れ・・・。そうなってしまわないようにできるなら、少しでも時間を削減したいところですよね。
そこで、おすすめなのがウォーターサーバーです。特にプレミアムウォーターは温水も冷水もすぐにでるので、ミルクつくりが簡単です。
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また、最近のおすすめウォーターサーバーにはオーケンウォーターがあります。このウォーターサーバーの特徴は赤ちゃんにおすすめのRO水【プラスプレミアム】が選べます。
RO水とは不純物除去をしっかりと行った限りなく純水に近い水のことですが、オーケンウォーターの場合は天然水由来のミネラル成分をほどよく残しながら、不純物を取り除いているので、赤ちゃんに最適です。
もちろん温水も冷水もでますので、ミルクつくりが簡単です♪
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