2024年5月24日時点で2024年台風4号のたまごは発生していません。
ちなみに現時点のリアルタイムの衛星画像は
米軍(アメリカ海軍)JTWC(JOINT TYPHOON WARNING CENTER/合同台風警報センター)公式ホームページでご確認ください。
ちなみに、この米軍(アメリカ海軍)JTWC(JOINT TYPHOON WARNING CENTER/合同台風警報センター)の台風情報は最も信頼度が高いと言われて6時間ごとに情報が更新されています。しかも、台風のたまご段階での情報も手に入るのでとても役立ちます。
また、気象庁の台風情報でも台風4号は発生していません。
以下は昨年の台風4号についての内容です。
2023年7月15日午後3時、南シナ海で台風4号「タリム」が発生しました。しかし、わずか3日後の18日午後9時にはベトナムで熱帯低気圧に変わり、消滅しました。この台風4号は日本には影響を与えませんでしたが、なぜ発生したのでしょうか?そして、なぜ消滅したのでしょうか?この記事では、台風4号2023タリムの発生原因や消滅理由を解説します。
Contents
台風とはどのようにして発生するのか?
台風とは、熱帯海域で発生する低気圧のことです。台風が発生するためには、以下の条件が必要です。
- 海水温が26℃以上であること
- 対流圏上層(高度約10km)で高気圧があること
- コリオリ力(地球の自転による見かけ上の力)が強いこと
- 風のずれ(高度や方向による風速や風向きの変化)が小さいこと
これらの条件が揃うと、海水から蒸発した水蒸気が上昇して雲を作ります。雲が発達すると、雲から降る雨や雪によって熱が放出されます。この熱放出によって気圧が下がり、周囲の空気が流れ込みます。空気が流れ込むとコリオリ力の影響で渦を巻きます。この渦が中心部で強くなり、中心気圧が980hPa以下になると台風と呼ばれます。
台風は一般的に西寄りに進みます。これは、赤道付近では東から西へ吹く貿易風(東風)に乗るためです。また、北半球では北へ進むほどコリオリ力が強くなり、右へ曲がる傾向があります。そのため、日本付近では北西から南東へ向かう進路を取る台風が多く見られます。
台風4号2023タリムはどうして発生したのか?
台風4号2023タリムは南シナ海で発生しました。南シナ海は西太平洋暖池(WTP)と呼ばれる海域の一部で、海水温が高く台風発生に適しています 。また、対流圏上層では高気圧(サブトロピカルリッジ)がありました 。さらに、コリオリ力も十分に働きました 。そして、風のずれも小さく安定した環境でした 。これらの条件が揃ったことで、台風4号2023タリムは発生することができました。
台風4号2023タリムはどうして消滅したのか?
台風4号2023タリムは発生後、西寄りに進みました。しかし、進路上にはベトナムの山岳地帯がありました。山岳地帯にぶつかると、台風の構造が崩れて弱くなります 。また、海から離れると水蒸気の供給が減り、エネルギー源を失います 。さらに、対流圏上層では高気圧が弱まり、風のずれが大きくなりました 。これらの要因によって、台風4号2023タリムは熱帯低気圧に変わり、消滅しました。
台風4号2023タリムの特徴や歴史
台風4号2023タリムは、発生から消滅までの期間が短い台風でした。発生から消滅までの期間は約78時間でした 。これは平均的な台風の寿命(約150時間)よりもかなり短いです 。
また、台風4号2023タリムは、最大風速が30m/s(60ノット)に達しました 。これは強い台風に相当します 。しかし、中心気圧は970hPaまでしか下がりませんでした 。これは平均的な台風の中心気圧(約950hPa)よりも高いです 。このことから、台風4号2023タリムは小型でコンパクトな台風だったと言えます。
歴史的に見ても、台風4号2023タリムは珍しい台風でした。過去30年間(1991年~2020年)の統計によると、7月に南シナ海で発生した台風は11個しかありません 。そのうちベトナムで消滅したものは5個です 。つまり、台風4号2023タリムのような進路を取った台風は約2.7%しかないということです。
まとめ
この記事では、台風4号2023タリムの発生原因や消滅理由を解説しました。以下に要点をまとめます。
- 台風4号2023タリムは南シナ海で発生し、ベトナムで熱帯低気圧に変わって消滅した
- 台風が発生するためには海水温や高気圧、コリオリ力、風のずれなどの条件が必要
- 台風が消滅する要因には山岳地帯や水蒸気不足、高気圧の弱化、風のずれなどがある
- 台風4号2023タリムは寿命が短くて小型でコンパクトな強い台風だった
などが影響しています。
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